歯科技工士のための国民年金基金 歯科技工士国民年金基金

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歯科技工士国民年金基金とは


歯科技工士国民年金基金とは
   〜 将来の暮らしをより豊かに 〜

                              (日本歯科技工士会広報誌『日本歯技』平成22年11月号より転載)


皆さんは国民年金基金という制度をご存じでしょうか。
自営業の方などがゆとりある老後を過ごせるように、国民年金に上乗せする公的な年金制度です。
特に歯科技工士の皆さんのためには、歯科技工士国民年金基金という職能型の国民年金基金が設立されています。



自営業者の年金を2階建てに

国民年金基金とはどのような制度で、国民年金とは何が違うのですか。

古橋 国民年金というのは20歳から60歳までの誰もが加入しなければいけない国の年金制度です。これを1階部分とした場合、会社員は2階部分に厚生年金があり、さらに3階部分に企業年金が上乗せされる場合もあります。
一方、自営業者やフリーランス(※)の人の公的年金は1階部分しかありません。この差を埋めるためにつくられた制度が、任意加入の国民年金基金です。国民年金は世代間の相互扶助を前提とした賦課方式ですが、国民年金基金は加入者が自らの年金原資を負担する積立方式です。自分で積み立てて自分で受け取るので、世代構成の変化に左右されない制度であると言えます。

(※)一定の組織に所属せずに自由契約で活動する人


国民年金基金には「地域型」と「職能型」というものがありますが、何が違うのですか。

古橋 地域型国民年金基金は、国民年金基金制度が発足した平成3年の5月に各都道府県に設立されました。一方、職能型国民年金基金というのは、歯科技工士や歯科医師など特定の職種に従事する人たちのための基金で、現在、25の職種について全国単位で設立されています。
違いとしては、職能型は特定の職業に関連する業務に携わっている人が対象だということ。
それから地域型は、他県へ転居した場合にはその転居先の基金に入りなおさなければいけませんが、職能型は全国単位なので転居届を提出するだけで済みます。
そのように柔軟で迅速な対応ができるということも職能型の特長です。

職能型の一つとして歯科技工士国民年金基金があるわけですが、現在、加入者数はどれぐらいですか。

古橋 歯科技工士国民年金基金は平成4年3月に厚生省(現厚生労働省)より設立認可をうけまして、現在はおよそ2,600名の加入者がいます。

加入できるのは歯科技工士だけですか。

古橋 基本的には歯科技工士とその配偶者ですが、歯科技工に関連した業務を行っている営業や事務職の人も含めて歯科技工士国民年金基金に加入できるというシステムになっています。ただし、年金が厚生年金や共済年金の方や、その配偶者の方は加入できません。

資産の運用はどのように行っているのですか。

古橋 歯科技工士国民年金基金では、加入者に納めていただいた掛金(保険料)を資産運用して運用益を獲得し、保険料と運用益を合わせて年金積立金として将来の給付の財源としています。掛金の1口目は全基金共通で各基金が共同で設立した国民年金基金連合会という法人で運用し、2口目以降については自主運用しております。
ただ、歯科技工士国民年金基金が直接運用するわけではなくて、民間の運用機関に委託しています。現在は2行の信託銀行と3社の生命保険会社が、国内外の債権や株式など、市場の動向を見極めながら中長期的な展望で資産運用しており、歯科技工士国民年金基金は、運用状況の把握や評価などの管理を行っています。


自由なプランニングが可能

給付のタイプはどのようなものがあるのですか。

古橋 給付のタイプは全部で7種類あって、生涯にわたり年金を受け取れる「終身年金」がA型とB型の2種類、受取期間が決まっている「確定年金」が儀拭Ν況拭Ν祁拭Ν厳拭Ν昂燭裡擬鑪爐如△修譴召貶歉擺間の有無や給付開始年齢に違いがあります。
国民年金基金に加入する際には、まずは1口目として終身年金のA型かB型のどちらかに入ることになります。A型とB型の違いは、加入者に万一のことがあった場合に遺族に一時金が支給されるかどうかの違いで、A型は遺族一時金が支給されます。そして、2口以上の加入をする場合には、2口目以降はこの7種類のタイプを自由に選んで組み合わせることができます。
例えばA型+A型とか、B型+祁燭箸いΔ茲Δ法


確定年金の祁拭Ν厳拭Ν昂燭60歳から受け取れるプランです。公的年金を受け取る65歳までの「つなぎ年金」としての役割を担うことができますし、早めにリタイアしたい方はそのプランを選ぶのも一つの方法でしょう。
そのように組み合わせ方によっていろいろなバリエーションがつくれますし、環境の変化に応じて加入する口数を増やしたり減らしたりもできますから、人生設計に沿った自由なプランニングができると思います。

掛金の額は年齢によって違ってくるのですね。

古橋 基本的には、加入時の年齢が高くなるにつれて掛金の額は上がってきます。また、年齢だけではなくて性別によっても異なりますし、給付のタイプや加入口数によっても変わってきます。
ただ国民年金基金は国民年金と違い、加入した時点で掛金の額と給付額が決まりますから、途中で増額や減額をしない限り掛金はずっと変わりません。国民年金は今でも毎年のように掛金が変わっていますが、それに比べると、掛金額が変わらないというのはそれだけ将来設計がしやすいと言えます。
こうした掛金(口数)の増減が自由にできることもメリットの一つだと思います。少し余裕があれば増額したり、最初に決めた掛金がきつくなったら、1口目は加入の基本なので1口目を減額することはできませんが、2口目以降を減額したり、自分のライフスタイルやその時の生活状況などに応じて柔軟に対応ができるという仕組みは、とても使いやすいのではないでしょうか。
歯科技工士国民年金基金のホームページで加入のシミュレーションができますから、加入を考えている方はぜひ一度アクセスしていただいて、今加入すると将来いくらもらえるのかというシミュレーションをしてみてください。

途中で加入を止めたくなった場合は解約できるのですか。

古橋 国民年金基金に一度加入をすると、民間の保険商品のように解約するということはできません。解約はできませんが、任意の期間で休止(停止)という扱いが可能です。掛金の支払いを休むということですね。それまでにお預かりした掛金は、将来、年金としてお支払いします。極端な例ですと、加入して1カ月だけ掛金を払って、その後ずっと休止したとすると、その1カ月分の掛金に応じた年金が給付されます。
民間の生命保険などは解約したらそれで終わりですよね。解約一時金のようなものを貰って、例えばそれを子どもの大学の入学金の足しにしたら、あとは何も残りません。
一方、この年金基金は解約できませんからずっと残っていて、最終的には年金として必ず戻ってきます。「一度入ると解約できない」と聞くとデメリットのように思われるかもしれませんが、決してそんなことはないのです。


最大のメリットは税制優遇

先ほど遺族一時金という言葉がありましたが、これについてもう少し詳しく教えていただけますか。

古橋 遺族一時金は終身年金A型と確定年金儀拭銑昂燭吠歉擺間が設定されていて、次のような場合に給付されます。
まず年金の受給前に加入者が亡くなった場合は、加入時の年齢や死亡時の年齢および死亡時までの掛金納付期間に応じた遺族一時金が支給されます。それから受給開始後の保証期間中に亡くなった場合は、残りの保証期間の年金を支給するための資産相当額が遺族一時金として支給されます。例えば65歳から受給を開始して67歳で亡くなってしまったという場合、A型の保証期間は15年間ですから、残りの80歳までの分は遺族に支給されるということになります。
実際、昨年度も遺族一時金を受け取られた方がいらっしゃいましたが、多くの方がそうであるように、遺族一時金という生命保険的な要素があるということを忘れていたようです。年金として加入しているわけですから当然と言えば当然なのですが、いざ万一の時にまとまった金額を受け取ることができて、その方も非常にありがたかったとおっしゃっていました。

税制上の優遇措置もあるそうですが、その点に関して教えていただけますか。

古橋 支払った掛金は全額が社会保険料控除の対象となって、所得税や住民税が軽減されます。詳しくは年金基金の事務局にお問い合わせいただければと思いますが、民間の個人年金と比べて全額が経費になると考えると、自営業者にとっては、この税制上の優遇措置というのが国民年金基金の一番のメリットなのではないかと思います。ここに注目して加入している人も大勢います。
例えば、掛金の最高限度月額68,000円まで加入された場合、年間816,000円が必要経費として認められ、控除の対象となります。これは、生命保険料控除の10万円、配偶者控除の38万円を大幅に上回る額です。
さらに、受け取る年金にも公的年金等控除が適用されますし、遺族一時金も非課税扱いです。

「付加年金」という国民年金に任意で上乗せする制度があると聞いたことがあります。

古橋 「付加年金」とは国民年金本体の保険料に毎月400円上乗せすることにより受給額が「200円×付加保険料納付月数分」上乗せされる任意加入の国の制度です。金額は僅かですが、例えば、付加保険料を10年間納付した場合、受給開始から2年間で納付した付加保険料相当分の年金を受け取ることができる、非常にリターン率の高いものです。
実は国民年金基金は、掛金にこの付加年金が含まれていまして、付加年金を代行運営し、これに見合った補助も国から受けています。ぜひ覚えておいていただきたいです。


将来の暮らしをより豊かに

こうしてお話を伺っていると、メリットばかりですね。

古橋 私自身、最初は付き合いのような感じで加入しましたが、60歳を過ぎて掛金を納める必要がなくなり、数年後には給付を受けられるという立場になってみると、若い頃にもっと掛金を増口しておけばよかったと思うぐらい、この制度の良さを実感します。こういう良い制度があるということを、多くの皆さんに知っていただきたいと思います。

私も今、自分がどういうプランに加入しているのかは正直言ってわからないです。

古橋 最初のうちは無関心ですよね。私もそうでした。しかし、給付を受ける年齢に近づいてくれば、いずれは実感がわいてくると思います。

将来の暮らしが少しでも豊かになることは確かですから、多くの技工士の方に知ってもらいたいですね。

古橋 実際に給付を受けている体験者の話が聞ければ、一番分かりやすいかもしれませんね。私が65歳になって給付を受けるようになったら、なにか体験を書きますよ。入っておいて良かったって(笑)
やはりこんなに有益な情報を知らないというのは困りますからね。地道に努力しながらやっている歯科技工士が、せめてリタイアした後、あるいは仕事を縮小する時に、少しでもゆとりがもてるように、まずはこの制度を知ってもらいたいです。
そして少しでも興味を持ったら、まずは入ってみればいいと思います。余裕があれば増口してもいいし、きつくなったら休止すればいいわけですから。
歯科技工士のような自営業者は、よほど貯金があるなら別ですが、国民年金だけでは将来の不安は拭いきれないでしょう。その不安を和らげるために何かの保険に加入するなら、まず第一の選択肢は、公的年金としてさまざまなメリットがあるこの国民年金基金だと思います。
私はもう15年ぐらい前から歯科技工士国民年金基金の代議員や役員を務めていますが、知れば知るほど良い制度だと思います。事務局へご連絡いただければ詳しいご案内もできますので、まだ加入していない方は、この機会にぜひ検討してみてください。